あのホルスト・ウェーバーを目覚めさせたサウンド!
ヨーロッパを代表するジャズ・レーベル、enja。その設立者でありプロデューサーとしても多くの名盤を送り出してきたホルスト・ウェーバー。長らく現役から退き隠居生活を送っていた彼を再び奮い立たせた衝撃のプロジェクト。コントラバス・フルートはじめとするマルチ・フルート奏者としてヨーロッパを中心に活躍する天田透の初リーダー作は秀逸なオリジナル曲や敬愛するミンガス、ドルフィーのカヴァーを含む21世紀のスピリチュアル・ジャズ。沈滞したジャズ・シーンを揺るがす注目作!音質にも拘りオーディオ・ファンも納得のHQCD仕様。
「やわらかに想像力の翼をひろげる。このアルバムの天田透の魅力をそんな風に言ってみたい。音楽は不思議なもので、いろんな驚きと出会う。音楽のよろこびは、単に楽しさや哀しさを共有するだけではなくて、不思議な懐かしさを呼び起こしたり、さらに未知の世界に導くこともある。天田透の音楽を聴くと、何よりもそんな広大な未知の世界への好奇心のようなものを感じる。」
・・・・・・青木和富(ライナーより)
★天田透:
1967年千葉生まれ。ジャズ界では希有なマルチ・フルート奏者。1988年に渡独、95年ドイツ国立ミュンヘン音楽大学大学院修了。
同年、マル ウォルドロン トリオ・終戦50年平和祈念日本ツアーに、ジーン リー(vo) と共に参加。同メンバーでアルバム「白い道、黒い雨」も制作。その後日本・ドイツ両国でソロ活動を開始、各地のライブハウス、フェスティバル等に出演、現在に至る。近年は特にバスフルート/コントラバスフルートによる表現を探求、独自のスタイルを編み出し、新たな試みを続けている。また数年来、東北地方の千年前の遺跡から出土した篠笛の復元に取り組み、演奏家による研究の一環として、音楽の現場でもこの未知の楽器の紹介をしている。2003年から5年間、ドイツ国立トロッシンゲン音楽大学(教育家コース)で非常勤講師を務め、全ての楽器を対象に即興演奏を指導した。
★ 井野信義:
1950年東京生まれ。71年、高柳昌行カルテットに加入し大きな影響を受ける。79年、ドイツのメールス・ジャズ・フェスティヴァルに出演し海外でも高い評価を受ける。24歳の時、日野元彦と知り合いリズム・セクションとして日本のほとんどのジャズマンと演奏・録音。80年、初リーダー・アルバム「マウンテン」を制作。渡辺香津美、山木秀夫と全国ツアー。83年よりヨーロッパ・ツアーが頻繁になり、ベルリン・ジャズ・フェスティヴァルを皮切りにヨーロッパのほとんどのジャズ・フェスティヴァルに出演。国内では、アート・アンサンブル・オブ・シカゴのリーダー、レスター・ボウイを招き、コンサート、録音を行う。エルヴィン・ジョーンズのもっとも信頼するベースとして共演。松田優作主演の連続テレビ番組「追う男」の音楽を担当。89年、ベルリン・コンテンポラリー・ジャズ・オーケストラとグローブ・ユニティ・オーケストラのレギュラー・ベーシストに抜擢される。90年より板橋文夫、富樫雅彦らとのレギュラー・グループで活躍。97年よりソロも始め、90年年代後半からは橋本一子トリオや齋藤徹とのデュオを開始、エリック・ドルフィー、チャールズ・ミンガスを題材にしたグループも始める。
★田中 徳崇:
1977年福岡生まれ。10代よりドラムを始め、ロレッタセコハンなどでバンド演奏を開始。1997年からの10年間はシカゴを拠点に活動。渡米後は多くのセッションをこなす一方で、TortoiseのメンバーでもあるJeff Parkerの様々なプロジェクトへの参加をきっかけに即興演奏を始めた。AACMや音響系をはじめとしたシカゴや、ヨーロッパからのミュージシャンとの共演を重ねる。2007年に滞在ビザの都合により帰国。最近の共演者は日野皓正はじめ、坂田明、井野信義、ケイ赤城、梅津和時、Axel Doerner, Ken Vandermark, Thomas Heberer, Ingebrigt Haaker Flaten, 八木美知依、本田珠也、山中千尋、Thomas Morganなど。